Nanae(20代女性)
営業先の条件交渉で毎回相手の言い分を飲んでしまい、その都度上司に怒られます。
そもそも争いごとが苦手なので、厳しい条件だとしてもついつい「はい」と言ってしまうんですよね。
頑張って受注しても、対応してもらう仲間からも非難の言葉をかけられたりしてホントなんのために働いているのか分からなくなる。
私には交渉すること自体向いてないので、営業職以外の道も検討しているくらい悩んでいます。
転職の前に交渉力を上げる方法やコツがあれば教えてほしいです。
テンションアゲヲ
ヘイヘイヘーーイ!ポジティブかい?テンションアゲていこうぜ!!
交渉は本当に厄介だよな。
どうしても人対人になるので、相手の思考や緊急度に加え、会社の立ち位置、競合との質や価格競争などなど、様々な要因が絡んでくるので、一筋縄ではいかないんだ。
商品を売っておしまいだったらそこまで損害はないんだけど、ソフトウェア開発のような人が動くものを厳しい条件で受注してしまった結果、大きな赤字を垂れ流すなんてことにもなって、Nanaeのように仲間から嫌味を言われたりするんだよな。
ほんと大変な仕事だぜ。
今回はハーバード大学の友人Alanってやつの交渉方法が参考になりそうなので、それを紹介するぜ。
とのその前にHONDAの創業者本田宗一郎さんの言葉を紹介しておこう。

人心掌握術にたけ、様々な交渉を成功させてきた本田さんならではの言葉だよな。
言わずもがなだけど、彼の言葉は交渉のシーンだけではなく人と関わること全てに言えることだぜ。
相手のその時の状況や心情を観察・想像して、もしも相手の性格と現状で、自分がこれから言おうとしていることを言われたらどう感じるか?ってことを考えながらでないと何事も上手くいかないよな。
だから常に相手の気持ちになって考える癖をつけてくれ。
それではここからは、具体的な交渉の4つのコツを紹介していくぜ。
人と問題を切り離して交渉する
まずは1つ目、交渉のシーンでは相手の言い分や人格、態度などに過剰に反応してしまいがちなんだ。
穏やかに話しているのに条件はかなり辛口な人や、巨漢でドンと構え自信に満ち溢れた人、威圧的で一言ひとこと圧迫してくる人など、交渉のシーンだと様々な人に出会うと思うけど、それを気にしないというのが大前提だ。
ここで交渉相手そのものに飲まれてしまっては、合意を得ることがとても困難になるんだ。
交渉相手に焦点を当ててしまい、言いくるめようとか打ち負かすことを優先してしまうと、どちらに非があるかに関わらず、反発やしっぺ返しを受けることになるんだよな。
なので、相手を戦いの相手と捉えるのではなく、目の前の問題を一緒に解決するパートナーだと思って交渉することが重要だぜ。
立場ではなく、利害に焦点を合わせて交渉する
立場に囚われたまま交渉することで合意の可能性を著しく下げるんだ。
交渉をしていると、相手も立場上言わないといけない言葉などが確実に存在する。
例えば、「予算が出ないので、もう少し値下げしてくれないか」などはよく聞くお決まりフレーズだよな。
相手から発せられる主張を分析して「なぜその主張をするのか?」を考えることが、相手の利害を理解する第一歩となるんだ。
それが確実に合っているとわかっていても、直接相手に利害の真意を尋ね、同時にこちらの持っている利害もしっかり相手に説明して理解してもらうことで、誤解による関係悪化を避け、距離感を縮めて信頼関係を築くことができるんだ。
これをすることで、互いの利害を満たす方法を一緒に探っていく前提ができるので、互いの利害をしっかり出し合おう。

双方の利益を考えた選択肢を用意
次は交渉シーンでよく見られることなんだけど、双方が互いの持論や案に固執して相手の利益を軽視した結果、選択肢を狭め合意に至らないのは本当に多いんだよな。
合意に至らない4つの阻害要因として、「アイデアの切り捨て」ってのがあるんだけど、交渉の場ではユニークなアイデアって出にくいんだよな。そのため早急に判断しようとして相手の問題点を探す批判意識が働くため、阻害されやすいんだ。
2つめに「唯一の答えを探してしまう」ってのがある。ほとんどの人が勘違いしているんだけど、交渉の場で必要なのは条件の差を埋めることではなく、双方納得できる形で問題を解決することだ。
唯一の答えを探してしまうと、多くの可能性の中から最良を選ぶという方法を無視してしまうんだよな。
3つめに「利益対象(パイ)の大きさを一定と決めつける」というものがあるんだ。交渉の対象になっているものを奪い合うしかないと双方が思うと、4つめの「相手の問題は相手が解決すべき」という考えに拍車がかかるんだ。
パイが一定と決めつけると、どうしても交渉ではなく相手への要求になりがちなんだよな。その結果、低予算だけど相手に徹夜してでも納品させるなんてことになってしまうんだ。お互い自分の利益にしか関心がないと、相手の言い分を認めたくないという心理も働きやすくなるので要注意だぜ。
客観的基準を用いる交渉の成否は、自分の望んでいる結果(意思決定)を相手側にさせられるかどうかにかかっているんだ。
なので、そのような決断がしやすいように配慮することが重要だ。
相手の視点で問題を眺め、意思決定者を見極め、背後にいる人を説得するための材料(選択肢)を渡し、相手が「イエス」と言いやすいようにすることだ。
客観的基準を強調して交渉する
上記の3つは相手の利益を重視した内容になっているので、それだけだと必要以上に譲歩してしまう可能性があるんだ。
今回のNanaeはもしかしたらこの3つのコツは大丈夫だけど最後の1つ、客観的基準を強調できていないのかもしれない。
自分の利害だけを前提にするとどうしても主観的な判断が入ってしまうものなんだ。
安く仕上げたい、納期を早めたいなど、達成したい目的以上に自分の利害を入れてしまうと、それは交渉ではなく要求だ。
そこに目的に対する客観的な基準を設け、それを強調しておくことで、お互いに視野を狭めなく多くの解決策を議論できるようになるんだぜ。
もちろん条件が合わないことも多々あると思うけど、まずは目的を明確にして、客観的な基準に合意してから交渉を始めることで、最悪合意に至らなくても、お互い納得して別れることができ、次回に続く可能性を残すことができるんだ。

実は交渉は女性向き
ここまで交渉の4つのコツを紹介してきたけど、参考になったかな?
そうそう、4つのコツの中でも状況によってチカラを入れるポイントは変わってくるんだ。
例えば以前からお付き合いがあって、どうしても力関係で相手が上の場合などは凝り固まった考えや力関係などを克服しなくてはいけないので、そのために客観的基準を強調することに時間を割く必要があったりするんだ。
余談だけど、女性は男性より相手を見る観察力が高い傾向にあるから、実は交渉は女性向きだったりするんだぜ。
昔友人の経営者がよく(変な意味ではなく)女性であることを武器にしろって女性営業マンに言っていたけど、そう言われていた女性は相手を観察することを重視し始めてから、様々な交渉を成功させていったなんてこともあったな。
ちなみに今回はハーバードの友人の交渉術を紹介したけど、もっと詳しく知りたい場合は、同じくハーバード流のこちらの書籍をオススメするぜ。
今が交渉下手でもこの4つのコツで場数を踏んでいけば、関係者全員が幸せになれば交渉結果を導き出せるはずだ。
交渉もプライベートも人対人、相手の立場に立つ癖をつけてポジティブに生きようぜ。レッツ・ポジリブ⤴⤴